「ん……はぁ、ん」
淫靡なセカイが視える。一人の男子と、幼き女の子の、二人きりのセカイ。纏わる空気は甘すぎて、時間はきっと逆に動いている。
変わる変わるセカイに、ボクは何を視ているのだろうか。それは彼女の仰せのまま……

事の発端を話せば、短くなる。学校帰り彼女と遭遇→拉致→お城に監禁……なんでさ。こんな経緯そうそうにないだろうが。
そして今、俺は人の言いなりなる、いわゆる犬というやつか。

「んん〜っ!!……ぷはぁっ」

ご主人様はあまりの息苦しさに、俺との口付けを離した。離れた唇から、一線の雫がたれているのがまたとなく危ない。
肌の色は雪にもまけず白いのに、しっかりと色づくところは色づいている。そのコントラストのおかげでご主人様の唇はとても淡く、艶やかに見える。

「もう……シロウったら」

なんて意地悪そうに、犬を見下しながらご主人様は言う。その仕草には、幼き思考のなかに大人の態度が、ちらりと見える。
それはよくある、見栄はりなのか。それとも……つか、俺はいつまでイリヤをご主人様って言わなきゃいけないのよ。

「イリ、ヤ。……これ……は、どういう、ことだ」
「ん? ただ、お兄ちゃんとしたいだけだよ?」
「なっ?!……」

ピッチャー、イリヤ。打者、衛宮士郎に向かって……第一球、投げましたっ!!おおっーーーと、剛速球っ!!
衛宮士郎のストライクゾーンのど真ん中ぁ!!入ったぁ!!ストライーーーーークっ!!記録、「軽く昇天できそうなぐらい」
……なことを、イリヤは言った。ああ、「死」って、すぐそこにあるんだなぁ……ほら、世の妹属性たちよ。理想を抱いて溺れたいか?今すぐに。てか、今のナレーション誰?

「なんでさーーー!!」
「ひゃあっ!!……もう、シロウ。いきなり大きな声出さないでよねっ。ビックリしたじゃない」
「出さずにいられるか。つか、縄を解け。手首が痛い」

ああ、状況説明を忘れていたが、オレ、イマ、ホバクちぅ。ジバクちゃうよ。

「でもー…そうもしないと、シロウ逃げちゃうしー……そっちのほうが、『もえる』っていうか」
「も、萌えっ?!」
「ばかっ!違う、火に自然の然のほうの、燃えるよ」

ですよね。こんなようやく最近になって普及し始めた、新語録形容詞がこの異国のお嬢様には通用しませんよね。いや、どっちにしてもアウトな気がするが。
そんなつまらないことは考えないで、今は縄を解くのに集中する。ことによってはセイバーを呼ばないといけないが、令呪使うのは勿体無い。
やっぱり、自分で解決しないと。ところで、12回戦までピンピンな彼や、使用人二人は何処へ?

「バーサーカーは今外で寝てるわ。リズとセラは私を探すのに一生懸命でしょうね」

まるで「お兄ちゃんの心は、まるっとすりっとお見通しだっ!!」と言わんばかりにイリヤは、三人の事情について教えてくれた。
そうか、なら今この城には俺とイリヤの二人っきりか。……二人っきり?!

「ふぅ、ようやく二人っきりになったね、お兄ちゃん」

満面の笑みでイリヤは言った。きっとこの後の経緯を、心から楽しみにしていているのだろう。
俺は……無駄な抵抗するしかないのか。それとも、そのまま受け入れて、世間様に最悪のレッテルを貼られるのか。二者択一だ。

俺は……

<選択肢>
1、世間様になんと言われようと、イリヤを受け入れる。
2、むしろ、襲っちゃう。ご主人さま交代だ。
3、いただきまーす♪

「まてマテ待てぇぇぇえええーーーー!!!!」
「きゃあっ!」

どの選択肢も最終的にイリヤと……しちゃうようになってるじゃんかっ!つか、最後のなんて喜んでるっ?!俺はロリじゃねぇ!!
俺の大声にイリヤは又しても驚き、両手を胸に当てて少し後ずさった。あたまには猫のような髪型がピンと立っている。
ん〜、後ろ側になんか良からぬ者が写っている様な気がするが、気にしな……

「にゃにゃにゃ」
「「??!!」」

いなんて、無理かよ。つか、もう、なんだよ、このセカイ。遠坂!!お前かっ!?お前がどこかで監視しながら、その右手で宝石剣でも振りかざしてるのか?!

「いい加減諦めなさい、シロウ。どうせ今からすることに男性であるあなたが不備なことなんてないでしょう?それともセイバーとしてるほうがいいの?」
「いや、そうじゃなくて。ほら、世間体にもあるし、お前……以上じゃないだろ?」
「へぇー、そんなの気にするんだ。それについてはシロウのほうが危ないじゃない。あなたの後輩にはサクラがいるのに、学園最年長なんでしょ?
 つまりは、最低でも○○歳でしょ?シロウやリンって。それに比べて私や英霊達は、姿かたちが幼くても年齢は楽々にクリアしてるのよ?
 まぁ、最近は姿かたちが……歳以下に見えるだけで、規制されるらしいけど?そんなの私には関係ないわ。私はしたいままにするの。シロウと!」

最後のほうに強調性があるのはきっと、恥ずかしいからなんだろう。イリヤの顔は真っ赤だ。本当は強くないくせに、強がっちゃって……まぁ、それが良いっちゃあ良いんだけど。
と、それよりも頼むから誰か、縄を解いてくれないか。もう、手首が千切れそうに痛い。

「だーめ。それはもうちょっとの間、付けてるの」
「まじかよ……って、おいっ!!」

すこしだけ落胆してると、イリヤが俺の座る椅子までやって来て、ちょこんと座った。ちょうど、股の間に。その仕草がどうにも猫っぽく、気まぐれな感じが彼女には合っていた。
すると、なにも躊躇することなく俺のズボンのチャックを下げて、中身を外気にさらけ出したのだ。

「うわ〜、これがお兄ちゃんの……」

実物を見て、凝視。顔真っ赤。でも、含み笑い。しかも見た目は年端も行かぬ幼き娘。その淫靡で背徳的な光景に世の妹属性は反応せざるを得ないはず。
今、その幻がここにっ!!……って、だからナレーション誰?
イリヤはそのか細く白い手でオレのをふにふにと触りだすと、徐々に膨張していく様子に、

「うわぁ、うわ〜〜っ♪」

と、いかにも「これは私のおもちゃです」みたいな顔をして輝いていた。は、恥ずかしいっ!男として、雄として、人間として。

「お兄ちゃん……気持ち、いい……の?」
「ええっ?!あぅ……は、はい」

と、あまりの恥ずかしさに声が小さく――身も小さく――しながら頬を紅潮させるオレ。はっきり言って戸惑いを隠せない。
だって、こんなこと、イリヤがしてるなんて誰が想像したんだろうか。そんな事を思っていると、

「んむぅ」
「ちょっ、イリ――」

ヤと言いたかったが、あまりの快感に言えずじまい。何を思ったかイリヤはオレのを小さい口を大きく開けて、頬張ったのだ。
先っぽだけを咥えるだけが精一杯のイリヤは、片目を瞑りながら吐かまいと意地になっている。さっきから彼女の小刻みに喉が震えている。
と同時に、ゆっくりと両手でオレのを押さえて、暖かい粘膜の中で舌を使い始めた。

「――っ!!」

男として一番敏感な場所を、ザラザラとした柔らかい舌がなめずり回す。時には雁の部分を丹念に……ある時は鈴口の部分をほじくるように……
その一回一回の奉仕にオレは腰を浮かせる。ビクッ、ビクッと反応するのを見て、イリヤはより一層目を薄め、息遣い荒く奉仕する。
まるで二人だけの甘美なセカイだった。

「ん……んぅ……は、ぁ……んむ……」
「ぁ――っぅ!」
「んんっ……ぴちゅ……ぬ、っちゃ……はぁ……」

――彼の耳にはどうやら、眼下の幼い女の子が発する厭らしい水音しか聞えていないようだ。
オレは一生懸命イリヤがオレのを頬張り、奉仕する姿に欲情していた。どんどん自分のものは大きくなり、固くなる。もっと自己を主張している。
もっと、して欲しい。もっと、この先の行為までもしたい……したい……したいっ!!
――なんて、男は単純。自分のヨクボウのままに意識が判断を下す。
それと同時になんだか知らない声が頭に響く。誰だ?お前、誰だ?

「ん、ふぅ……ちゅ、っ……」
「イリヤ、オレ……もう……」
「ん……ぷはぁっ。……えー、お兄ちゃん早いよー」

自分の唾液やらオレのものから溢れた腺液やらで、濡れている下あごをそのままにしてイリヤは言う。
そして、オレの限界を知ってゆっくりと自分の着ているお姫様のようなドレスのスカート部分を捲り、下着をずらしてオレと向かいあった。
イリヤの小さなあそこは既に濡れていた。愛液が太ももまで垂れていて、それを見るだけでもまた扇情的。雪の上を走る寒露は、きっと甘い味だろう。

「んっ……!」

ゆっくりと、でも確実にイリヤは腰を落とし、自分の狭穴にオレのを宛がった。ふるふると小動物を思わせるような震えが、オレの身体にも伝わる。
続けて、自分の一部がイリヤの中に入るような感覚が全身を電気のように襲う。ビリッ、ビリリッと流れる電気が快感の信号だ。
きつい。きつすぎる。オレのを咥える淫唇は、喜びか痛さか、どちらかわからないが、フルフルと震えながら咥えている。
そして中ではきゅう、きゅうぅ…っ、と包み込むように締め上げる襞たち。き、気持ち――良いっ!

「ん……あ!!あ、あぁ……ん……ぜ、全部、はいったぁ……お兄ちゃんのが、私のなかにぃ……」
「イリ、ヤのなか……気持ち良すぎ」
「うふっ、ありが……とう♪それじゃ……う、動くね?」

ぎこちない動きで腰を動かすイリヤ。その度に襞はオレのを締め上げながら擦り上げてくる。全身に電気が走り続ける。
ずっ……ずっ、とお世辞にもリズミカルとは言えない腰つきが逆に良いのかもしれない。オレは段々と頭の中が白みかかってきた。
――頭がぼうっとし始めた。もう、深く考えることも出来ない。
また、アノ声。一体誰だろう……いや、それよりも今はイリヤと一緒に――

「はぁああっ!!」

ちょっとだけ腰を突き上げると大きな声でイリヤは鳴いた。
――彼女の鳴き声は可愛らしいという一言に尽きた。
まだ幼いといっても過言ではないイリヤの陰部はオレの陽部を抑えられないだろう。――ふと、手に何か柔らかい感触が……
ん?なんだこれ?というか、もうアノ声を喋っているのかが自分のように思えてきた。不思議な感覚。アノ声はオレの意識と同化してる。
――なにかの糸口かもしれないとグッとそれを握ってみた。

「っ――――――――!!!!!!!」

……瞬間、バチンッとセカイが弾けた。イリヤが大きな目を開けたまま背をのけぞった……映像がどんどん遠ざかっていく。
そしてそのままオレは急に深い闇に落ちて、消えた。まるで夢の舞台から下ろされるように……
――瞬間、バチンッと目が覚めた。僕は寝ぼける間もなく目の前の光景に唖然とした。握ったものはレンのしっぽ。そしてお互いの体位は淫夢と同じだったのだ。

「レ、――ン……」
「…………」

レンは小さく甘い吐息を零すだけ。本当に喋らない。喘ぎ声すらも出さない。それでも、愛らしい様子で頬を紅潮させ、僕を欲情させる。
――モット、ソノ身体ヲ、壊シタイ。滅茶苦茶ニシタイ。
僕はよくあたりを見渡した。変わらない、いつもの僕の寝室だ。ということは僕はベッドの上だな。背中になにか固い感触、きっとベッドの頭のほうにある木の部分だろう。
おそらく僕はそこに寄りかかる体制になっているだろう。そんなことを考えている間にもレンは僕に奉仕を続けてくれる。

「…………」
「はぁ、はぁ、はぁ……っ」
「…………っ!」

まるで一方的な感じがするが、これがちゃんとした僕と彼女の愛しかただ。今握ってるしっぽが僕たちの気持ちをつなげてくれるなら、それでレンの気持ちが分かるのなら。
僕はそれでいい。もっと僕はレンの気持ちを知りたい。もっと彼女を可愛がってあげたい。

「レン、僕……もう……っ」
「……」

こくんと小さくうなづくレン。僕は上に乗っかっているレンを抱き寄せ、その体温を感じようとした。ギュッと強く抱く。レンにとっては痛いかもしれない。でも……

「くっ――はぁっ!!」
「っ――!!」

吐き出した僕の欲望は、何度かの波に分かれてレンの膣を襲った。白く、彼女の膣を犯す。それと同時に僕は代償として生気を吸われる。
それでもいい。彼女が……レンが欲しいのなら、僕はあげれるものをあげるつもりだから……

――それが僕と彼女との恋愛。




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